本文へ移動

2024年度事業活動計画

6月21日 如水会館にて 第235回理事会、第53回定時総会が開催されました

第235回理事会、第53回定時総会

第235回理事会、第53回定時総会にて2024年度アルミ缶リサイクル協会事業活動計画及び新役員体制が承認されました。

1. 概要

 2023年の飲料用アルミ缶の国内需要量は前年比97.4%の約210億缶と推定されますが、10年連続で200億缶の大台は維持されました。昨年はアルコールの飲料店需要が回復したものの、増税となったビール類の新ジャンルが大きく落ち込み、結果として業界紙推定で99%の前年割れとなった模様です。ビール類の缶需要は、家飲みの減少や缶化率の高い新ジャンルの不振により前年比94%となりましたが、RTD缶は10月の酒税改定で価格優位性が維持されたために前年比102%と堅調に推移したとされており、当協会のアルコール向け缶数ベースの推定では98.3%となりました。一方、容器入り清涼飲料の国内生産量は、人流回復と夏場の好天により果実、コーヒー、MW等が好調で101.9%となりましたが、アルミ缶需要はコーヒー向けボトル缶が製品値上げの影響で95.3%と大きく落ち込み、缶数ベースでは97.0%で着地したと推定します。
 2023年度のリサイクル率は、前年の93.9%から3.6ポイント上昇して97.5%となりました。分母となる国内消費重量は、5.6億缶もの需要減により前年比で約12.2千トン減少しました。一方、輸出はタイ向けが大きく減少しましたが、韓国向けが前年に比べ4.8千トン増加したため輸出量全体では約0.4千トンの微増となりました。また国内再生利用重量は製造業界の再生地金の調達推進により約0.4千トンの微減に留まったため、国内再生利用重量と輸出量からなる分子全体ではほぼ前年並みの数値となりました。この結果、分子が変わらず分母が減少したことによりリサイクル率が大きく向上したものです。
 尚、アルミ缶の強みであるCAN to CAN率(水平リサイクル率)は、前年比2.9ポイント増の73.8%となり、CAN to CANへの取り組みは着実に向上を示しています。この結果に安堵せず、引き続き中期的取り組みとして今一歩高いレベルにするための方策を協会内外で協議していく所存です。
 2023年はSOT缶にて胴部や缶底の薄肉化による軽量化が進み、前年よりも平均缶重量が0.12g軽くなりリデュース率も6.8%へと一気に上昇し、2025年目標である6.0%以上は3年連続で達成されました。現在もビール缶等で軽量化は進められており、引き続き関係者が一丸となって取り組まれ、更に高みを目指すことに期待します。
 貿易統計によるUBCの輸出量は、タイ向けが減少したものの韓国向けが地政学的影響により増加し、ほぼ前年並みの66千トン*になりました。しかし貿易統計上でUBC費目ではないその他のものとしてシュレッドされたUBCが一定量輸出されていると推定され、UBC輸出量の実態は66千トン以上にのぼることは間違いないと思われます。また2024年には韓国で年間100千トン規模の新たなUBC一貫処理施設が稼働する予定であり、輸出量は今後さらに増加する懸念があります。UBCの輸出動向には引き続き注意が必要です。 *:貿易統計値(組成率未反映)

2. 基本方針

1)アルミ缶リサイクルの推進を円滑に進めます
(1)アルミ缶回収ルートの整備・支援を通じて、リサイクル活動の活性化に取り組みます
(2)広報・啓発活動を行います
(3)調査・情報提供活動を行います
(4)CO2排出削減と国内資源循環の強化を図るため、リサイクル率の安定化とCAN to CAN率の向上に取り組みます
2)3R推進団体連絡会の一員として積極的に3R活動に取り組みます
 
< 目標 >
1)安定的にリサイクル率92.0%以上を維持します
2)2025年までに2004年比で6.0%以上の軽量化を目指します
3)アルミ缶回収協力者推薦数は、学校・一般とも前年度以上を目指します

3. 2023年度 事業活動計画の内容

【1】アルミ缶リサイクルの推進を円滑に進めます

 
(1)アルミ缶回収ルートの整備・支援
  • 事業者責任としてアルミ缶回収率を上げるために関係者との連携、協働の推進を引き続き行います。
①資源としてのアルミ缶の理解度を向上させます。
  • アルミニウムの素材としての良さを理解してもらい、リサイクルへの気運を高めるための活動を行います。
②当協会プレゼンス向上を目的に官庁や関連団体への訪問・支援、自治体、消費者団体との交流を積極的に行います。
  • 当協会の活動内容についての理解度が低いため、官庁や自治体と定期的な会合や広報活動を行い理解度の向上を図ります。
  • リデュース・リユース・リサイクル推進協議会主催の「3R推進功労者等表彰」の候補者推薦を行います。
③アルミ缶回収表彰制度の認知度を向上させます。
  • 「アルミ缶小・中学校回収協力者表彰」、「アルミ缶一般回収協力者表彰」、及び「優秀回収拠点表彰」制度の認知度向上を目的に、学校、自治体、回収拠点、社会福祉協議会等への表彰制度PRを継続します。
  • 都道府県別の登録回収拠点の中身を見直し、アルミ缶回収協力者表彰への推薦が出易い環境を整備します。
(2)広報・啓発活動の推進
アルミ缶及び回収活動への理解を深めてもらうための広報・啓発活動を行い、情報のアップデートに努めます。
①若年層への環境教育としての広報・啓発活動
  • 環境教育への協力、支援として小中学校向けにパンフレット/小冊子、DVD、ポスター等の配布、再生地金サンプル等の教材を貸し出します。
  • 旅行会社等に当協会活動をPRし、中学校の修学旅行時等の来協学習の申し込みが来易い環境を整備します。
  • 小、中学校への出前教育を積極的に実施します。
② 自治体・消費者への広報・啓発活動
  • 自治体や各消費者団体主催の展示会、自治体講演会への参加、各種書籍・雑誌への寄稿等を行います。
  • エコプロ2024が開催される場合には参加します。
  • タブ回収の活動については引き続き正確な情報提供を行います。(歴史的な経緯と怪我の危険性)
  • ホームページにてタイムリーな情報提供を行うと共に、協会やアルミ缶回収のPRを行います。
③ マスコミ関係者や支援団体への広報・啓発活動
  • 定期的に報道発表を実施する。(6月:単年度事業計画とアルミ缶需要量、リサイクル率、リデュース率等
  • リサイクル施設の見学研修会を実施します。(10月)
  • 広報紙「アルミ缶リサイクルニュース」(4回/年発行)を発行、配付します。
(3)調査・情報提供活動の推進
  • 2020年度の「アルミ缶リサイクル率」(「CAN to CAN率」含む)、2020年度「アルミ缶リデュース率」、2019年度の「アルミ缶再生利用フロー」を調査・公表します。
  • 日本アルミニウム協会等と連携しタイムリーな調査分析・情報発信に努めます。
  • アルミ缶輸出入数量、及び世界のリサイクル率について、データ精度の向上に努めます。

【2】 3R推進団体連絡会メンバーとしての活動

「自主行動計画2025」に取り組みます。
(1)事業者自ら実践する3R推進計画の推進
  • リデュース率とリサイクル率の目標達成に向けて取り組みます。
(2)普及・啓発活動の推進
  • 3R推進フォーラム、3R交流セミナー意見交換会(3都市予定)等により市民、行政との意思疎通を図ります。
  • 市民リーダー育成のための支援、エコプロ展示会への参加、リサイクル冊子の作成・配布等を行います。 
(3)今後の中長期活動計画における活動
  • 自主行動計画2025に沿って、事業活動に参画します。
 
2025年度目標
2022年度
2023年度
対前年増減
リサイクル率
92.0%以上
93.9%
97.5%
+3.6%
リデュース率
6.0%以上
6.1%
6.8%
+0.7%
16.00g以下
15.98g
15.86g
▲0.12g
 
  2)アルミ缶回収表彰 (優秀賞件数)
 
2021年度
2022年度
2023年度
2024年度目標
小・中学校
44件
41件
43件
45件
一般
66件
62件
65件
67件
    


TOPへ戻る